プログラム
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9月8日(月)
13:10~14:10
田中豪太* (明治学院大)
量子エンタングルメントのテンソルネットワークによる数値解析
量子エンタングルメントは古典論にはない量子力学に特有の現象であり、量子情報や量子コンピュータ分野をはじめ、素粒子論分野でも重要な役割を果たしている。
量子エンタングルメントの強さを定量化する指標としてエンタングルメントエントロピー(EE)やエンタングルメントネガティビティー(EN)があり、
これは量子多体系の相転移の指標として重要な役割を果たすと考えられている。
本講演では、量子エンタングルメントの数値解析手法として、テンソルネットワーク(TN)法を用いた手法を紹介する。
TN法は符号問題なしに分配関数や期待値といった経路積分の数値計算が可能な手法であり、EEやENの計算に必要不可欠な縮約密度行列の評価も可能である。
はじめにTN法の基礎を説明し、次にTN法を用いた量子エンタングルメントの数値解析の実例として、
2次元イジングモデルとXYモデルにおけるEEや、2次元イジングモデルにおけるENの数値計算結果を紹介する。
本講演の内容は、金沢大の早崎氏、明治学院大の加堂氏、金沢大の武田氏との共同研究に基づいている。
14:30~15:30
佐古彰史 (東京理科大)
Lie-Poisson代数の行列正則化
半単純リー代数全体を含む, ある種のLie代数に対応するLie-Poisson代数の行列正則化を提唱する.
Lie-Poisson代数は, 対応するリー代数のカシミア多項式で定義される代数多様体上の関数環に対応するLie代数の構造を持つポアソン構造が付与されたものとしてあたえられる.
したがって, Lie-Poisson代数の行列正則化とは, カシミア多項式で定義された代数多様体の行列正則化に対応している.
代数多様体上の関数は多様体の定義方程式が生成するイデアル割った同値類で与えられる.
その同値類から行列代数への量子化の写像は,イデアルから定義されるグレブナー基底での余りをもとめ,リー代数の基底で置き換えることで実現される
15:50~17:20
渡辺展正* (慶應義塾大)
New explorations in lattice gauge theory — ’t Hooft loop and partial deconfinement
TBA
17:50~18:50
笹倉直樹 (京都大)
ランダム結合テンソルネットワークの繰り込み群的フローと正準テンソル模型
ランダム結合テンソルネットワークは pregeometricな仮定をおかない量子重力やランダムネットワーク上の統計系などの文脈において動機を持つ.
固定されたネットワークでないため通常の意味での繰り込み群が存在しないように思われるが, 実際には繰り込み群的なフローが存在することを示す.
そのフローは正準テンソル模型において正の宇宙項をとった場合のハミルトニアンベクターフローによって与えられ, 相図と完全に一致する.
場の量子論におけるa-やc-関数に類似するフローに沿って減少する関数の存在を示す.厳密な意味ではcyclic flowは存在しないが, 固定点近傍で無限小の跳躍を許すと存在することを示す.
9月9日(火)
10:00~11:30
酒井一博* (明治学院大)
\(E_8\)格子の数理とJacobi形式
同サイズのn次元球をn次元空間に最も効率よく詰めるにはどうしたらよいか?この問題は球充填問題として古くから知られる難問であり、n=1,2,3,8,24の場合にしか解けていない。
n=8の解をなす\(E_8\)格子は、数学の様々な場面に現れるほか、弦理論、あるいは情報理論における誤り訂正符号とも密接な関わりがある。
本講演前半ではこれらのつながりについてレビューする。
後半では、長らく未解決であった、\(E_8\)格子の自己同型群の下で不変なJacobi形式(楕円関数の仲間)のなす環の構造を決定した
最近の結果(
arXiv:2410.12907)を紹介する。
13:30~15:00
太田和俊* (明治学院大)
グラフ上のフェルミオンの構成について
離散空間である任意のグラフ上でフェルミオンを構築する方法について紹介する。
グラフ上のフェルミオンに対するDirac演算子は、パラメータによって変形された接続行列を用いて表現され、
この模型の分配関数はグラフ上のゼータ関数の逆数によって与えられる。
このグラフ上のゼータ関数が持つ物理的な意味についても議論し、
グラフ上の可能なフェルミオンのサイクル(状態)を生成する母関数を与えていることを示す。
また、周期境界条件を持つ格子グラフ上のフェルミオンの性質を、
被覆グラフとArtin-IharaのL関数の概念を用いて議論し、
この模型においてフェルミオン・ダブリングの問題が回避されていることを示す。
さらに、この模型の分配関数は、グラフ上のサイクルに関する巻きつき数を導入することで、
同じグラフ上のIsing模型の分配関数と関連していることも指摘する。
(https://arxiv.org/abs/2501.08803 の結果に基づいた内容。)
15:20~16:20
松浦壮 (慶應義塾大)
ヤング図から見たFKM模型のGWW相転移について
FKM模型は、グラフ上に拡張された格子ゲージ理論の一種で、
その分配関数がグラフゼータ関数で表されると共に、強結合/弱結合の双対性、
および、large NにおいてGWW相転移を示すという著しい特徴を持っている。
今回のトークでは、これらの特性が、理論の双対表示であるヤング図の統計という立場から
理解できることを説明する。
16:40~18:10
橋本幸士* (京都大)
『学習物理学』の創成:AIと物理学の融合新領域(学部生も対象)
TBA
9月10日(水)
10:00~11:30
福間将文 (京都大)
世界体積ハイブリットモンテカルロ法の基礎と応用 (仮)
符号問題に対するレフシェッツ・シンブル法の原理と困難を紹介した後、「世界体積ハイブリッドモンテカルロ法」の基礎と応用を解説する。とくに
・群多様体/ゲージ理論
・ハバード模型
・量子多体系の実時間ダイナミクス
への適用について詳しく解説する。また、符号問題に関する学術的流れの今後の展望を述べる。
13:30~15:00
西村淳 (KEK, 総研大)
レフシェッツ・シンブル法で切り拓く超弦理論と場の量子論のフロンティア (仮)
超弦理論や場の量子論に関する最も重要な問題の研究には、しばしば「符号問題」が現れ、モンテカルロ法の適用を困難にすることが知られている。
例えば、(9+1)次元の超弦理論から(3+1)次元の膨張時空が如何にして現れるか、量子トンネル効果や量子デコヒーレンスといった量子論的時間発展に関わる問題、
無境界仮説などに基づく量子宇宙論の問題、トポロジカルθ項を含むゲージ理論の問題など、枚挙にいとまがない。
これらすべての問題に対して、我々を含む多くの研究者が開発に取り組んできたレフシェッツ・シンブル法がどのように適用され、どのような成果をもたらしてきたかを紹介し、今後の展望を述べたい。
15:20~16:20
西垣真祐 (島根大)
Recent progress on circular ensembles of random matrices
Riemann対称空間のHaar測度に従って分布する円周型集団はランダム行列模型の原型としてDysonにより導入された。
円周型集団の有用性は、量子カオス系の普遍的な準位統計への正準的な1/N^2補正を与えることにあり、そのモーメントは有限範囲でのζ関数と本質的に一致する。
本発表では最近の発展として(1) unimodular円周型集団の固有値相関, (2) 円周型unitary集団のギャップ比分布とRiemann零点について述べる。
16:40~18:10
浅野侑磨 (筑波大)
超弦理論における因果律と行列模型
超弦理論の摂動論はPolyakovのEuclid型経路積分によるS行列で構成でき、場の理論が再現されることがよく理解されている。
その一方で、Minkowski型の超弦理論はまだ不明な点が残っており、場の理論を因果律などの性質を含めて再現するかについてもよく分かっていない。
本講演では、摂動的超弦理論の経路積分を議論し、Euclid型理論の経路積分に等価なMinkowski型理論が弦的な因果律を実現していることを解説する。
また、この理論の行列正則化で得られる、因果律的な性質を有している行列模型について議論する。
9月11日(木)
10:00~11:30
深谷英則* (大阪大)
格子Dirac演算子の指数とK理論
格子理論のWilson Dirac演算子の分類にK理論を用いることで、
さまざまな指数を網羅的に定式化できることを示す。
Ginsparg-Wilson関係式を使うoverlap Dirac 演算子の指数が、
偶数次元の平坦なトーラス上のものに限定されるのに対し、
1) 境界を持つ場合のAtiyah-Patodi-Singer指数も可能であること、
2) 境界は曲がっていてもよく、重力の効果も取り入れられること、
3) 任意の次元で定式化できること,
4) mod-2 指数も自然な拡張で定義できること、
が新しい点である。
本発表は、青木匠門氏、古田幹雄氏、松尾信一郎氏、大野木哲也氏、山口哲氏との共同研究に基づく。
13:30~15:00
本多正純* (理研iTHEMS)
量子計算による場と時空のダイナミクス (仮)
TBA
16:40~18:10
加堂大輔 (明治学院大)
離散確率過程による新しい量子化法について (仮)
TBA
9月12日(金)
10:00~11:00
佐藤勇貴 (福井大),
井澤幸邑* (広島大)
2次元因果的動的単体分割に関する進展 (仮)
2次元因果的動的単体分割の非摂動的ダイナミクスを決定する方程式について議論する。
11:20~12:00
羽生田典麻* (名古屋大)
Scaling and critical phenomena on a Sierpiński carpet
In this talk, we investigate the order-disorder phase transition of the Ising model defined on a self-similar lattice with a fractal structure.
Specifically, we focus on the Sierpiński carpet with Hausdorff dimension log₃8 ≈ 1.8927, and perform a detailed numerical analysis using the finite-size scaling method and the higher-order tensor renormalization group (HOTRG) approach.
We fully reproduce the results of previous studies, confirming the existence of a continuous phase transition at finite temperature on this fractal lattice.
The critical exponents are discussed through finite-size scaling analysis by precisely evaluating the dependence on lattice size and temperature.
We also discuss the validity of the hyperscaling relation, assuming the fractal (Hausdorff) dimension as the effective spatial dimension, and examine its consistency with standard scaling laws.
Furthermore, to accurately compute spontaneous magnetization per site as the first derivative of the free energy with respect to an external field, we introduce automatic differentiation techniques, enabling efficient and precise numerical evaluation.
13:40~14:40
永田和広*
(河本昇氏との共同研究)
Recent Developments of Link Formulation of Twisted SUSY on a Lattice
We report several recent developments of gauge covariant link formulation of twisted supersymmetry on a lattice.
In particular, based on a recent study
arXiv:2412.19666 [hep-lat], we look into the super-covariant formulation of N=D=4
and N=4 D=5 twisted super Yang-Mills on a lattice.
and explicitly see how the exact SUSY invariance w.r.t. all the supercharges are realized on a lattice.
We also explain an underlying group and algebraic structure behind the link formulation.
Furthermore, based on another paper
arXiv:2502.16410 [hep-th], we will mention a possible non(anti)commutative superspace formulation
which may accommodate the above mentioned group and algebraic structure of the link formulation.
アクセス
明治学院大学 白金キャンパス
〒108-8636 東京都港区白金台1-2-37
大学公式アクセス案内
最寄駅:
JR品川駅・目黒駅、高輪ゲートウェイ駅、東京メトロ南北線/都営地下鉄三田線 白金台駅、白金高輪駅
アクセス:
・品川駅高輪口より都営バス「目黒駅前」行きに乗り、「明治学院前」下車(乗車約6分)
・目黒駅東口より都営バス「大井競馬場前」行きに乗り、「明治学院前」下車(乗車約6分)
・高輪ゲートウェイ駅から徒歩約13分
懇親会
9月11日(木)の18:40から、明治学院大学・白金キャンパス近くの
中華料理店「聚寶園」にて懇親会を開催します。
参加希望の方は、上記の一般参加者(研究者、大学院生)用の
参加登録フォームにて懇親会に"参加を希望する"を選択してください。
懇親会の締切は8月31日。
参加費は1000円を予定しています。学部生は参加不可です。
世話人
浅野侑磨 (筑波大)、浅川嗣彦 (前橋工科大)、藤博之 (大阪工業大)、福間将文 (京都大)、伊敷吾郎 (筑波大)、
加堂大輔 (明治学院大)、金森逸作 (理研R-CCS)、河本昇 (北海道大)、松浦壮 (慶應義塾大)、西垣真祐(島根大)、
西村淳 (KEK、総研大)、佐古彰史 (東京理科大)、笹倉直樹 (京都大)、佐藤勇貴 (福井大)、杉野文彦 (慶應義塾大)、
鈴木博 (九州大)、土屋麻人 (静岡大)、綿引芳之 (東京工業大)、綿村哲 (東北大)
共催
明治学院大学 情報数理学部附属 情報数理科学研究所
問い合わせ先:
明治学院大学 加堂大輔 kadoh_AT_mi.meijigakuin.ac.jp